読書の 秋眠 りの秋

古本買取 東京

 

Robert Johnson – Love In Vain Blues

 

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マルキ・ド・サドの本を偶然棚の中から見つけて、読んでみた。ペーパーナイフを使う本!とのことだったが、既に項は開かれていて、分厚い紙をめくる。私が読む前に誰かがペーパーナイフを使用し、閉じられた紙を切り開き、この物語に没入していたのだな、と考えるとなんだかゾクゾクしないでもない。なんせ、本が本だから。さて読み始めると、展開が早く一気に読み終え、そして若干疲れた。じわじわと迫りくる恐怖というより、大きな嵐に何度も見舞われ止まっている暇がないような感覚だったから。ぐんぐんページをめくっていったらばついに主人公のキチガイ男が暗い森の中で報復を受け物語は突然幕を閉じた。嵐が過ぎ去った後も不穏な空気は拭えなく、でもこの不穏な感じが癖になり、他にサドの本はなかろうかと探してみたがどこにもなかった。本に骸の挿絵が挟まっていて、それが無性に陰鬱でなぜだか脳裏に焼き付いている。『悲惨物語』というタイトルも、そしてこの字体も、訳しているのが澁澤龍彦である事も含めて何だかもうすべての条件(なんの条件?)は揃っていて、好きな人は本当にこう言う類のものを読み漁っているのだろうな。個人的な感想は、わざわざ晴れの日に読むものではないよなという感じ。(思い切り秋晴れの日に読んだけど)

読んでいる時にロバードジョンソンが流れていて、そっちにも気を取られていたのだけれども、明朗なギターの音と渋い声、奥の方から聞こえてくるような、絞り出された古めかしい音が心地よく、いつまででも聞いていられた。1930年代とは思えない格好良さ。古い曲には若干雑音めいたものが混ざっていて、それが好き。

 

なんでもいいけど日が暮れるのが早くなってきて、部屋の中でぼんやり明るみから夜に変わる様子を眺めているとすぐ眠くなる。読書の秋食欲の秋芸術の秋、睡眠の秋ってあったっけ? 心地の良い風と温度と色合いで、すぐに眠たくなる秋が始まった。でもこの期間はとても短く、あっという間に寒い冬がやってきて眠たいなどとは言っていられないほど寒くなる。よく眠れるこの期間に、存分に眠っていたい。秋眠なんてあんまり聞いたことはないけど。

 

なんちゃって。

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